有償ストックオプション 税金 税務

前回「【従業員目線】ストックオプションのデメリット【会社に縛られます】」という記事を書いたところ、想像以上に反響がありました。

直接的な質問として「有償ストックオプションの税金はどうなっているのか」というものをいただきました。

有償ストックオプションは、発行する企業にとって資本政策上のメリットが大きいことから、

導入企業がそれなりに多く存在します。

恐らく質問者さんも、そのような会社に所属し、有償ストックオプション付与の話をいただいているのでしょう。

そこで本記事では、有償ストックオプションのみに焦点を絞り、メリット・デメリットに加え税務についてまとめていきます。

結論、従業員(付与対象者)は、株式の売却時に得た利益に対して20.315%課税されます。

有償ストックオプションと売却までの流れについて

有償ストックオプションとは

権利を与えられた時の金額で将来の株を購入する仕組みです。

株価が下がった場合には損をする可能性もあるため、通常型ストックオプションや株式報酬型ストックオプションに比べるとリスクが大きいです。

給与や報酬ではなく、「投資」に該当し、得られる利益は譲渡益に該当します。

株式譲渡の税率(20.315%※)が適用されます。

※20.315% = 所得税15%、復興税0.315%、住民税5%

通常型ストックオプションと株式報酬型ストックオプションについては以下の記事で説明しています。

売却までの流れ

「売却」というタイミングを含め、3つのタイミングがあることを覚えておきましょう。

案外会社では教えてくれないことなので、しっかりと把握しておく必要があります。

シンプルにまとめると以下の3つです。

  1. ストックオプションの権利付与
  2. ストックオプションの権利行使
  3. 株式売却

上記3点のどこかで税金が掛かるのかが、本記事の主題となります。

結論は冒頭でも述べていますので、先にメリットとデメリットについてもまとめておきましょう。

有償ストックオプションのメリット・デメリット

有償ストックオプションのメリット

有償ストックオプションの対象従業員(付与対象者)の課税については、売却時点まで課税されることがなく税率が一定です。

有償ストックオプションのデメリット

有償発行という名のとおり、先に金銭を払い込む必要があります。

前章「売却までの流れ」で説明した『権利付与』がタイミングとして該当します。

発行価格が高ければ高いほど、先に支払う金銭が大きくなります。

従業員(付与対象者)の課税対象額と発生タイミング

それでは本題である課税対象額と発生タイミングについて見ていきましょう。

売却までのタイミングごとに見ていきますが、株式売却時に20.315%の課税が発生すると覚えておけば大丈夫です。

タイミング1:ストックオプションの権利付与での税務

有償ストックオプションを付与された場合、ストックオプションという権利を購入しただけで、

税務上の課税関係はありません。株式を購入しただけでは課税されないのと同じです。

タイミング2:ストックオプションの権利行使での税務

有償ストックオプションの権利を行使した場合、行使価額により株式を購入します。

株式を購入しただけの状況で、税務上の課税関係は生じません。

タイミング3:株式売却での税務

株式の売却価格と取得価額との差額が譲渡益として課税されることになります。

税率は、20.315%(所得税15%、復興税0.315%、住民税5%)で、基本的には確定申告をすることになります(特定口座の場合は不要)。

仮として以下のケースで税金を計算します。

  • 付与時の株価1株:1万円
  • 付与株数:1,000株
  • 権利行使時の株価1株:15万円

課税対象額:(15万円 - 1万円) × 1,000株 = 1億4,000万円

売却時の税額:1億4,000万円 × 20.315% = 2,844.1万円

最終的に手元に残る資産:1億4,000万円 - 2,844.1万円 = 11億1,559万円

最後に | 有償ストックオプションの落とし穴

本記事では説明してきませんでしたが、税制非適格ストックオプションの場合は最高で55%掛かることから、税金面ではかなりお得に見えます。

しかし本当にそうでしょうか?

あくまでも付与時の価格で行使できる権利が付与されるだけであり、多くの従業員は行使をするためのお金を一時的にでもローンなどして借りることになると思います。

これは、有償ストックオプションではなくても、自身でお金を借りて株式証券所で株を購入するのと何ら変わらないと考えます。

発行する企業の立場から考えれば、付与対象者には業績(株価)へのコミットメントを求める手段、

つまり、モチベーションアップのためのイチ施策に過ぎないのですが、

中身を正しく理解すると、考えようによってはメリットが希薄する人も少なくないはずです。

言葉に騙されず、本質的な中身を理解して会話できるよう、日頃からお金に関する知識を増やしていく必要があります。

それでも一般のサラリーマンからすれば、多額のお金を手に入れられるチャンスであることには変わりありません。

ストックオプションによる資産形成を考える方は、

採用強化のためにストックオプションを付与している会社への転職を考えてみてもいいかもしれません。

以下の記事で転職に役立つおすすめのサイト、エージェントを紹介していますので興味のある人は参考にしてみてください。

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