経営戦略 顧客視点

「売る」という行為の裏側にある行為が「買う」という行為。
「買う」という意思決定は顧客の行為。

一応元経営者の私は仕事柄、経営だの戦略だの、戦術ということに日々頭を使っているわけですが、毎回顧客視点というのが抜け漏れてしまっている実態があります。

私にも上司がいて上司から目標数字を言い渡されます。その目標を達成するために、どうやって単価を上げるか、どうやって顧客を見つけてくるか、どのようにして付加価値を付けるか。市場をどう捉えて、競合他社にはいつまでに、どうやって勝つかを考えています。

↑の文章を書いている時点で、既に顧客が求めているものは何なのかが抜け漏れてしまっているわけですが、これに気づかずに売ることばかりを考えてた戦略を論じてしまうことが大半です。

「戦略 = 戦を略すこと」である。
この言葉適切である一方、この言葉しか学ばずに戦略を考えることは危険です。

お金を支払う相手は何を価値を思うのか、相手が想像しえない価値を提供するためには、何を必要か。自分本位ではなく顧客を考えて戦略が求められます。

本記事ではマネジメントや戦略を立てる立場の方向けに、買い手思考の経営戦略の重要性を説明します。

売り手主体の経営戦略では売れない

「予算が大きくなった。もっと売らなくては。」
「人手はないから一人当たりの生産性を高めなくては。」
「生産性だけでは追いつかないから単価を高めるように複数商材売らなくては。」
「競合企業に勝つために、来期は200%成長をしなくては。」
「そもそも競合の顧客を引っこ抜くような方法はないのだろうか。」

若手マネージャー、若手経営者で戦略を立てる立場になった人は、大体このような問題にぶつかるのではないでしょうか。任される責任、プレッシャーの大きさから、どうやったら売上・利益が最大化するのかを考えることでしょう。非常に当たり前だし、私自身、常にこのような問題で苦悩しています。

苦悩している中、ふと成長企業に目を向けると、自分たちとは異なる画期的なサービスや、ユーザー体験を提供することで伸びている会社があることに気づく。

私たちが売上・利益を上げるべく考えるアイディアが、実は顧客の求めているものではないということにここで気づくのです。売上・利益のみを追い求めるが故に(大事なのだが)、顧客の求めるものではないものを無理やり売りつけてしまっているのです。

こんな状態に陥っているのは私だけでなく、実は世の中に複数社あるでしょう。ではなぜこのような発送になってしまうのか?

答えは簡単で、こういった悩みに対する従来の教え方は基本的に売り手再度の思想から来る教えなのです。

なぜそうなるのかというと、戦略を論じているのは基本企業(売り手)であって、なぜ買ったのかを本質的に一番知っている顧客(買い手)は、戦略について論じないからです。

顧客が書いた本を書店やAmazonで見かけることがほぼないのが証拠でしょう。

私は経営戦略は、顧客視点であるべきと考えます。売り手視点ではモノが売れにくい世の中になってきています。顧客は自分にとって役に立つもの、価値のあるものに対してお金を支払う訳であって、企業が売りたいから買うわけではないことは明白です。

インターネットが普及し、SNS等でも商品の口コミやレビューが簡単に手に入る世の中になりました。タダで情報が手に入らない時代であれば売り手が考えるキャッチコピーやCMを見て消費者は購買の意思決定をしていたかもしれませんが、今の時代はそうではありません。

例えば高級車のような大型の買い物をするとき、「単に自分たちが儲けたいから高い車を売っている会社」よりも、「ラグジュアリー感と本当のリッチ感を提供したくてブランド戦略にも力を入れてきている老舗会社」だったら、どちらから高級車を買いたいでしょうか。単に高いだけの高級車よりも、価値提供をし続けて数十年もブランド戦略に時間とお金を使ってきた企業の方が信頼感があり、買いたいと思わないでしょうか。

実にシンプルな例え話で「そんなの当たり前だろう!!!」と笑われてしまいそうですが、これが顧客の本質です。情報が手に入りやすく購買の意思決定も難しくなってきているように感じる世の中ですが、根っこの部分の買い手の気持ちは実にシンプルです。

顧客視点に立つというのは、単なるきれい事ではありません。企業ならば売上や利益はとても重要です。ボランティアではありません。しかしその売上と利益を生み出すのは顧客の「買う」という行動出る以上、顧客視点からスタートしなければ、売れるものは作りにくいのです。

顧客にとっての価値提案

ビジネスを進めていく上では基本となる考え方が顧客とお金です。顧客に支払ってもらったお金を売上・利益として、社員やシステム開発、設備や次なる事業・機能に投資して、新しい価値を提供することで、また顧客からお金を支払ってもらいます。

この循環こそがビジネスを成長させる上での基本となる考えであり、この基本となる循環システムが構築できていない会社は淘汰されていきます。

ビジネスモデルや経営戦略とカッコつけて言うが、大事な財布を空けて、お金を支払ってくれる顧客がいなければ企業は存続しないことを考えると、社員やお金が大事だといくら言ったところで、真っ先に大事にすべきは顧客だと考えます。だからこそ、成長している企業のミッションは顧客課題の解決に寄り添っていて共感を生みやすいし、社員の行動も顧客の課題解決に向いているから強いのでしょう。

ミッションとは何であるかについては以下の記事をご参考ください。

最後に:顧客はモノではなくて価値にお金を支払っている

顧客が「買う」という決断をしなければ、どんなに立派なマーケティング戦略を作り上げてもモノは売れません。「買う」という意思決定は顧客のみができる権利です。この権利を私たち売り手サイドが脅かすことはできません。

これから戦略を立てる皆さんにとっての顧客は誰であるか、顧客の課題は何か、顧客の財布事情はどうであるか、多少高くも価値を感じることは何であるか、というように、「顧客」を主語において考えてみると良い気がします。

「売る」という行為の裏側にある行為が「買う」という行為。
「買う」という意思決定は顧客の行為。

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